まきの乳腺クリニック 中山,東区,新潟市 乳腺外科

乳がんについて

日本における乳がんの現状と適正な乳がん検診

日本における乳がんの現状:

乳がんはもともと欧米に多い病気であり、日本での乳がんの頻度はあまり多くありませんでした。生活の欧米化に伴い乳がん患者さんが増加し、1年間に乳がんを発病する人の数が1975年の11123人から2015年には約89400人と約8倍に増加しました。それに伴い乳がんで亡くなる方も年々増加し、1975年の3262人から2015年には13800人と4倍以上に増加しています。今後もこの傾向が続くと考えられており、乳がん患者数と乳がん死亡者数を減らすことはわが国の大きな課題です。乳がんは原因が分かっていないため乳がんにならないようにすること(1次予防と言います)は困難と考えられており、適正に治療されれば助かる早期乳がんを見つけること(2次予防と言います)が大切です。乳がんの早期発見には適正な乳がん検診を受けることが重要です。

 

適正な乳がん検診:

乳がんの検診方法は触診、マンモグラフィ、超音波検査(エコー)があります。乳がん検診の目的は乳がん死亡を減らすことであり、その効果が認められているのは今のところマンモグラフィだけであり、乳がん検診はマンモグラフィが基本です。定期的なマンモグラフィ検診を受けることで50歳以上の乳がん死亡が22%減少すること、40歳代でも15%減少することが報告されています。ただし、マンモグラフィにも弱点があり乳腺組織の厚いデンスブレスト(高密度乳房)ではがんの発見精度が低下することが知られています。日本人はデンスブレストが多く、デンスブレストの人の乳がんをいかに見落としなく見つけるかが重要な課題となっております。2015年にデンスブレストの多い40歳代72700名を対象にマンモグラフィ検診を受けたグループ(マンモグループ)とマンモグラフィに超音波検査の併用検診を受け他グループ(併用グループ)の比較研究が東北大学大内教授らのグループによって医学雑誌ランセットに発表されました。

結果はマンモグループでは114名、併用グループでは184名の乳がんが見つかり、マンモグラフィと超音波検査の併用で乳がん発見率が1.6倍になることが分かりました。死亡率減少効果を確認するためにはまだ数年かかるため、国が行う対策型検診は超音波併用にはなりませんが、この結果を受け当クリニックではマンモグラフィと超音波検査併用を標準的な乳がん検診としてお勧めします。マンモグラフィは最新の機器で女性の認定放射線技師が撮影し、読影認定医が診断、超音波検査は日本乳腺甲状腺超音波会議(JABTS)読影認定医が担当します。また一部の乳がん(浸潤性小葉癌など)は画像で描出しにくく触診でしか診断できない場合があります。私自身、マンモグラフィ、超音波検査で異常ない乳がん(浸潤性小葉癌)を触診と組織検査で何例か診断しています。触診も併せて専門医が総合診断いたします。

 

乳房のおもな症状は

しこり(腫瘤):

これが乳房で一番大切な症状です。指の間にきょろきょろ動くように触れることが多く、良性腫瘍と悪性腫瘍(乳がん、肉腫)があり、精密検査が必要です。

 

乳首からの分泌物:

これには透明のもの、有色(米のとぎ汁様、黄色、茶色)、血性(血液様)のものがあり、血性の場合が悪性の可能性があります。それ以外は良性の場合が多いですが、しこりがかくれていないか検査が必要です。

 

乳房の痛み、違和感:

これを心配して乳腺外来を受診する方が多いのですが、基本的にはしこりを伴わない痛み、違和感は心配ない場合がほとんどです。ただし、やはりマンモグラフィや超音波検査でしこりがかくれていないか検査が必要です。

乳首のただれ、発赤:

乳首にできる特殊な乳がん(パジェット病)があります。組織検査が必要となります。

 

乳房の発赤、腫脹:

乳腺炎(授乳期が多いですが難治性乳腺炎もあります)が多いですが、炎症性乳がんという特殊な乳がんがあります。専門医の診断が必要です。

 

症状はないが乳がんが心配:

3親等以内の身内に乳がん患者のいる方、以前乳腺の良性のしこりで手術した方、出産経験のない方は乳がんのリスクが少し高いと考えられています。当クリニックの乳腺ドックをお勧めします。少し費用がかかりますが、精度の高いマンモグラフィ、超音波検査、触診を1日で検査し、その日のうちに結果がでます。もし、精密検査が必要な症状があるようならカルテを作成し、組織検査を予定します。

 

以上の症状を認める人は気軽に当クリニックを受診してください。
紹介状は必要なく、都合のいい曜日で受診できます。

 

乳房の検査法

触診:

乳がんは固いしこりとして触れることが多いので専門医による触診は重要です。触診で7mm程度の早期がんがみつかることも多く、画像診断でみつけにくいがんもあり触れるしこりを見逃さないことが大切です。また触診は患者さん本人で繰り返し可能です。自己検診法も指導いたします。

 

マンモグラフィ:

マンモグラフィは触診でわからない小さなしこりを見つけるのに有用です。また、石灰化、構築の乱れなどマンモグラフィでしか見つからないがんがあります。

 

超音波検査(エコー):

超音波検査はマンモグラフィが苦手なデンスブレスト(高密度乳房)で小さながんを発見するのに威力を発揮します。マンモグラフィとの併用で小さながんを多く発見できることが分かっています。

 

細胞の検査(穿刺吸引細胞診):

しこりがある場合に良性か悪性かを診断する場合に必要な検査です。細い針をしこりに刺して細胞を採取し顕微鏡で診断する検査です。血液をサラサラにする薬(抗凝固薬)を内服しているときは十分な止血が必要となるため教えてください。

 

組織の検査(針生検):

細胞の検査で診断がつかない場合、あるいは診断を確定する時に少し太い針で組織を採取し顕微鏡で診断する検査です。血液をサラサラにする薬(抗凝固薬)を内服しているときは十分な止血が必要となるため教えてください。